・着実に上達できているかはっきりとは分からないので不安
・やってもやっても上達を実感できない
・褒められたり喜ばれるのが自分の目ざしたところなのか
こんな不安やもどかしさが解消するといいですよね。
では写真が上達するとどうなりますか?
・趣味が副業に
・副業が本業に
・撮影の依頼が来る/増える
・写真であらに深い充実感を得られる
・自己承認感覚が高まる
こんなことを考えていましたか?
・順調に評価も得ているがスキルや感性は確実に身に着いているのだろうか?
・色々な方法を駆使して上達を積み重ねていきたい
・上達しているか客観的に分かるにはどうすればいいか?
・上達の土台となるメンタル面に特に着目して、着実に上達するための13項目を解説
小手先のテクニックではなく、着実な上達を望んでいる読者のための本記事です。
写真が着実に上達する13の項目
自分自身を外から眺める
自分を客観的に見つめて、プロにさえある欠点や不足分を知る
「メッキが剥げる」という言葉がありますが、にわか仕込みのテクニックで、人を驚かして悦に入っていると、やがてもろい部分から剥げ落ちて初心者とたがわぬ評価しか受けられなくなります。
良い評価に甘んじると上達が停滞する
大変な苦労の果てに高い評価を得るとそこで安心して一息入れて胡坐をかき、振り返ると地道に楽しく上達していた他者に水を空けられていたなんてよくある話です。
耳に心地よい言葉には慎重に対応。辛口の意見にこそ傾聴する
「広告写真塾」と銘打たれたセミナーで語られていたことに、「一番ためになり正確な評価はお茶の間から」というのがありました。当時電通のアートディレクターでトップを張っていた講師の言葉です。
たしかにお茶の間は辛口です。なぜならテレビの前では何の責任もないから好きなことが言えます。
これをヒントに、
・辛口の先生や上司、先輩
・気の置けない友人
など遠慮を知らない人たちを遠ざけずに、質の良い、後で振り返ればありがたく思えるような意見を受けてください。
フォトグラファーのポートフォリオサイトを作ってみる
ウェブサイトはいつでも世界のどこにいても見ることが可能なので、さまざまな文化や背景を持つ人と同じ見え方で自分の写真を見ることが可能です。ポートフォリオサイトは自分のいくつかの側面を総合的に見せられる点で、さながら相手と対面しているかのように自分の全体像を伝えられる点でSNSと異なります。
今や自分のためのウェブサイトを作るのはかなり容易になっています。
サイトの構成を熟慮して全体で自分が伝わる内容にするまでもなく、
1ページで写真作品や問い合わせ先を含むウェブサイトもそれほど時間も費用もを掛けずに作れるのです。
この記事ではポートフォリオサイトについて
・作る理由
・メリット
・作る手段
について解説いているので参考になさってください。
自分らしさを再考する
自分の個性を教えてくれるのはきっと自分以外の人。
同時代を共に生きた画家たちに学ぶ
技術の優劣やこだわり、癖が異なる上、共に影響し合いながら自分にしか表現できない芸術に拘っていからです。
みなと同じ場所を目ざさない
他人と同じ場所は居心地が良く楽しい上、安心できるものです。情報交換が盛んにおこなわれ、鼓舞し合えるなら良いですが、そんな場所ではとかく自分らしさを忘れてしまいがち。
少し距離を置いて自分にしか考えつかないこと(アイデア)や人と違う点(個性)にフォーカスしてみましょう。
もしオリンピックで参加選手全員がメダリストになったら、メダルの価値はどうなりますか?
技術にも増して、磨くべきは個性や感性かもしれません
写真から離れる
写真と自分を外側から見る
常に写真を意識する習慣、なんでも写真に結び付ける習慣や日常は素晴らしいですね。しかし時にはすっかり忘れて写真と自己を外側から見つめ直すことも重要です。幽体離脱のように自分自身を中空から見ているイメージです。
自動車は走りながら給油できませんね、もっと長く進むには停止させて給油口を空ける必要があるように上達にも一時停止が必要です。
カメラを盗まれました
人間関係もそうですが、相手への敬意や愛おしさに距離を置くことで気づいたり実感します。 写真以外の何かに夢中になるのも一つの方法です。そこから見えてくるものは写真の真っ只中に居ては見えないものが見えてくるからです。
テクニックは後から付いてくる
テクニックは雪だるまの雪
個性や知識、感性がテクニックを寄せ付けます。
知識や感性を芯にしてを転がしていくとテクニックがそれに付着していき、雪だるまを転がすようにスキルとなって蓄積させていきます。雪だるまを転がすと雪が着いていくのに似ています
決定的瞬間
よく言われる決定的瞬間のためにはカメラや身のこなし方などのテクニックが必要かもしれません。
しかし決定的瞬間は写真の魅力的な一面でしかありませんし、感性こそが瞬間を見逃さないためのフックを出してくれて、さらに作品を深めます。
即効性の高いテクニックは剥がれやすいメッキ
すぐに効果が出て「自分は上達した」と勘違いしてしまう小手先のテクニックは応用が効かず骨太の上達には繋がりません。
しかし知識と感性に裏付けされたテクニックは、「なぜそれが有効なのか」を理解できていて使うので、いろいろな場面で出し入れ出来ます。
テクニックの扱いについてこんなことが言えます。
・整理して引き出しに入れて、いつでも使えるようにする
・何度も使って自分のものにして技量(スキル)を積み上げる
…このようにしていければ剥がれ落ちることのないテクニックとして確固たるスキルの一部となって自動的に上達に積まれていくでしょう。
小さな成功体験を積み上げる
気づくと達しているのが高い目標。最初から目ざすものではない
到達に時間のかかる目標はそこに向かっていることさえ忘れがちです。
山の稜線を上がっていくと経験されると思いますが、時として頂上は見えなくなります。
時間が掛かり過ぎない、モチベーションが途切れない、到達しやすい目標に立ち向かいましょう。
小さな成功体験を積み上げる
必ず達成できると思える、手が届く目標を設定して小さな成功体験を積み重ねることが肝心です。
また達成の後は、他のやり方はなかったか、もっと早く出来なかったか、次も再現できるかなどと振り返ることも大切です。
好きな写真に出会う
感性を揺さぶる、身震いするような写真
写真美術館やギャラリー、美術館で自分に響く、感性を揺さぶるような、これだと思える写真に出会うとき、
こんな風に自分の感性との共通点も感じているのでは?
・求めていた写真はこれだ!
・こんなのが撮りたかったのだ!
「なんでこの写真が好きか」、「この人の写真がなぜ良いのか」を考えてみましょう。
好きだと思える写真は自分を映す鏡として存在して、その時々の自分の課題や方向性を浮き彫りにしてくれます。
写真誌を手に取るのもお勧めです。自分に合い、しっくりくるタイトルを探してみましょう
⇒ 全国フォトギャラリー紹介
⇒ 日本全国の写真、映像がテーマの美術館・博物館|美術館ガイド
⇒ 全国写真展情報
目標に据える人やライバルをみつける
ひそかにライバル視するのもあり
自分の一歩だけ先を行ってそうな人、自分にはない長所や良い点のあるライバルは身近にいますか?
そんな人はとかく境遇が似ているので自分を見ているように思えるし、参考にするにも分かりやすく親しみが持てます。ライバル視できる相手がいると自分の意識が高まるというメリットがあります。
欲を言えば、近くにいたり親交があると上達のスピードが速まります。
気が付いたら見える景色が変わっていて、人知れず高まりに立っていてということもあります。
ともあれライバルや目指す相手を自分のために配置しましょう。
林修さん(「今でしょ」の人)のコラム(参考まで)
結局人間って
誰をライバルとするかで決まる。
-ㅤ
いろんなことをやって、
負ける経験がなければ、
「勝てる場所」は見つからない。
-ㅤ
大切なのは失敗体験ですね。
たくさん失敗したら
自分の負けパターンがわかってくる。
そしたら、
そうならないように
先手が打てるようにもなります。
-ㅤㅤ
勝者ではなく敗者に注目すること。
敗因には普遍性があり、
敗者は負けるべくして負けています。
決断力のなさ、情報収集の甘さ、慢心など
反面教師として学べる点が多いのです。
-ㅤ
自信がないと言う人は
まず、自分はやれる
と信じ込むことです。
-ㅤ
嫌なら辞めなさい。
勉強は贅沢なんだから。
-ㅤㅤ
自分がいかに
恵まれているかも分からない人間が
勉強したって意味ない。
-ㅤㅤ
勉強はしてもしなくてもどっちでもいい。
ただ、
解決力と創造力は
社会に生きていくうえで必要。
-ㅤㅤ
これから一か月間頑張れ。
そうすればこれからの人生が変わる。
一ヶ月頑張る人間は
一年頑張ることができる。
一年頑張る人間は
10年頑張ることができる。
10年頑張る人間は一生頑張るから。
林修
まだ使っていない感覚を活用する
視覚だけ使って写真を撮るのはもったいない
この奇妙なイラストは人の感覚の内、受ける感覚の比率を各器官の大きさで比較しています。
例えば手と目の大きさに着目してください。手が受け取る情報が視覚よりはるかに多いことが解ります。
五感を総動員
- 視覚
- 嗅覚
- 触覚
- 味覚
- 聴覚
視覚だけが被写体から情報を受け取って写真を撮るのは非常にもったいない。
触ってから撮る 味わってから撮るなど、五感から得た情報で被写体に対するイメージを持つことを心がけてください。
Q&A
関連性は不確かですが筆者の父は柔道選手でした。稽古で右腕を骨折した際に使っていなかった左手を鍛錬して右手が回復したころには格段に強くなっていたそうです。全身のバランスが良くなったことも一因だと想像しています。
表現力が高まる知識を増やす
感性と知識のストックを
感じ取る力:感性に加えて知識のストックを増やせば実践で動員するだけです。
小手先のテクニックはネットに溢れていますのでここでは、本質的な知識について説明します。
押せばきれいに写るカメラ
現在発売されているカメラは、スマホを含めて自動的にきれいな写真を提供します。
でも残念ことに、高価なカメラ・レンズを持っていても他の誰かも持っているので、カメラやレンズの性能だけで抜きんでることは不可能です。
写真を本格的に始めた人の大体が行きつくのは、
「他人と同じようになってしまって自分らしさが出せず褒められない、つまらない」。
写真の醍醐味は知るべき事/覚えるべきことが無限にあること。これは医学にも匹敵するといったら言い過ぎでしょうか?
カメラも一筋縄にはいかない
カメラの操作も複雑で、機種ごと操作が異なるのでそれだけで一苦労です。
パイロットの友人に聞きましたが、操縦桿を握る機種ごとに試験をパスしなくてはならないとのこと。
カメラは人の命を載せないので試験はありませんが複雑さにおいては匹敵するかもしれません。
だからこそカメラの機種ごとに書籍が出ているほどなのです。
大変だと思うか醍醐味と思うかはそれぞれですね。
知識はどこに?
知識は図書館、書店、ネット上にも無数にあるので、容易に蓄積して血肉になるでしょう。
リアルな学校もウェビナー(ウェブセミナー)、情報商材も手助けになります。
良質な知識を吟味してください。フォトノオトでも知識・ノウハウ系コンテンツを着実に増やしています。例えば、
・基本の構図・三分割法
・動きのある写真
・遠近感・奥行き・立体感
・光の減衰の法則
・標準レンズ・固定焦点
・焦点距離・レンズ選択
・空の写真
・バウハウスのイメー手法
などです。
上達のPDCAサイクル
Plan(計画)-Do(実行)-Check(評価)-Action(改善)
上達の過程を4つのフェーズに分けて、やるべきことをそれぞれ位置づけします。
そうすると楽しくないことでも「何のためにやっているか」と意義を感じることが出来るので、トーンダウンせずに淡々と上達を積んでいけます。
Plan(計画)
どんな撮影にするか、考え、仕込むフェーズ
「仕込み8割」という言葉があります。結果は現場でのパフォーマンスより準備段階に左右されるという意味です。ロケハンや計画、準備を周到に進めればほぼ完全な結果に繋がる。
前回の撮影の反省点・改善点を盛り込んだ、次の撮影を念頭にした計画と準備のフェーズで、上達サイクルの第ステップです。
Do(実行)
撮影に臨みます。
・現場では計画した通りに進んでいるか
・計画との乖離は許容できるか
・ハプニングを楽しめているか
など考えながら冷静にリラックスして進めましょう。
Check(評価)
撮影結果を評価するフェーズです。
人の評価も耳に入ってくるかもしれませんので客観的にもチェックできます。SNSでの発表(投稿)も役立ちます。
何より大切なのは自分自身が自分の写真をどう感じるか、どう思うかこの時が一番個性と感性を磨いている時だと思います。人の意見や評価に振り回され過ぎないように注意して下さい。ブレない軸足も重要です。
Action(改善)
評価や反省を受けて次の準備計画に生かせるように改善点、修正点を挙げておきます。
また不足していた技術、感性、道具を補充しておくのもこのフェイズです。
上手くいったり成功したと感じたら要注意
うまくいった時は
・どんな準備が奏功したか
・何をしたから、何に気を付けたからうまくいったか
「撮影ノート」などと表紙に描いたノートに記録するように心がけます。
図やイラストも添えるようにしてください。がフィルムの頃はポラロイドをノートに貼って、現場を思い出しやすくしました。
タスクの細分化
PDCAサイクルをさらにタスクに細分化して具体的な作業に分けます。
タスクの分け方
自分に合った分け方で良いです…
・タスクの時間配分を決める(例えば日ごと/時間ごと/45分ごとなどに切り替えていく)
・インプットと実践を明確に分ける
燃え尽きる/飽きるを回避
集中して打ち込むことや一気呵成(かせい)に進めてやり遂げるのは良いことですが、とかく燃え尽きたり、うまくいかず落ち込んだり、心が折れてしまいます。
小分けした作業ごとにノルマを決め、達成させる
タスクごとに決めたノルマ(達成目標)は低い山の登頂のようです
その連続によってやがて遥か高い山頂に立っているイメージです。
次に「やりすぎて燃え尽きない」ために時間配分は有効です。
エンジンの冷却のように熱くなったら冷ますサイクルが上達の持続には欠かせません。
タスク化の醍醐味は、淡々と小さなタスクを積み重ねるうちに、
自分でも気づかないうちに高まりに立っている自分に気づいて
周囲の評価も変化して、見える景色が以前と異なっていくことです。
タスクマインドがあれば限りある時間を有効に使える
一番無駄な時間は頑張りすぎたり突き詰めすぎて心が折れたり挫けて、それを元に戻す努力につかう時間だから。
タスク化によって淡々と項目をこなしていくと心を折ることもなく、挫折もない。
・頑張りすぎない30分を5回積み上げるのと
・頑張りすぎた3時間、そのための消耗を回復させるのに2時かかるのではどちらが効率的で効果的しょうか?
楽しいことなら何時間でも続くし、どれほどでも詰め込んでこなせますが、義務的にやることは持続しませんね。
『限りある時間の使い方』オリバー・バークマン
だらだらと毎日が過ぎていくことに疑問を感じ、時間の使い方を見直す良書です。
この項の括りとして紹介しておきますね。
≫『限りある時間の使い方』
上達は撮影以外の場面でも
撮影には時間への配慮が必須なのでタイミングを重視して後処理でカバーする。
⇒その際にも上達は可能。
…という流れで解説していきます。
撮影中に気にするべき時間
フォトグラファーは撮影中もさまざまに時間への配慮が必要です。
例として挙げると、
・天候の変化
・モデルやスタッフの集中が持続する時間
・被写体の貸し出し時間やスタジオのレンタル時間
・全体の終了時間や関係者の束縛時間、出現時間
このように時間への配慮は優先されてしまいます。
以下も注力すべきポイントですが、撮影後にも調整できます。
・フレーミング(範囲/画角決め/構図)
・フォーカシング(ピント合わせ)
・露出決定
「タイミングにこそ集中して、他の微調整は後回し」といえば逃げ口上のようでしょうか?
仕上げで写真がさらに良くなる
「素材としての撮影」と割り切れば撮影をないがしろにしているようですが、余裕をもって撮影に集中出来るようになります。
さらには仕上げ作業は撮った画像を再見するので振り返りにもなり、反省や改善点を発見できるので上達に深く影響するのです
画竜点睛
フィルムで撮影していた時代は暗室作業や極細の筆による作業が「仕上げ作業」でしたが、現在はデジタル撮影全盛なので往時の暗室作業に変わるフォトショップ作業は欠かせなくなっています。
*デジタル時代の画竜点睛(絵に描いた龍の最後に眼を書き入れる仕上げ作業)と言えそうです。
⇒フォトショップによる作業には
・RAW現像
・トリミング
・画質調整
・レタッチ
・切り抜き
・消去/合成
など無数の機能があります。ハードルが高いと思われがちですが、
必要だと思うアイテムから会得していける仕組みになっています。
映画やドラマの名シーンを録画して何度もくり返し観る
名シーンで上達…?
眠っている映画やドラマのDVDがあれば、メディアが劣化しないデータ変えてスマホやタブレット、PC画面で何度も見返すとライティングや構図、シーン前後の流れなどが心と体にインプットされて、写真撮影でも自然に生かされるでしょう。
参考まで:
DVDやブルーレイ・ディスクのコンテンツ、配信動画を筆者はパソコン画面で録画しています。バンディカムというソフトを10年近く使ったレビュー記事を書きましたので気になったらご覧ください。無料で10分まで録画が可能なので。すぐに使い始められます。
エピローグ
こちらも写真の上達に参考になりそう。「うまくいく人の考え方」です。
うまくいく人の考え方
- 準備が9割
- 決断は早く
- 責任は全て自分
- 素直に学び即行動
- 浪費はせず自己投資
- 100%の完璧を求めない
- 妬み、批判は時間の無駄
- ゴールから逆算して計画する
まとめ
苦労せず、折れず、落ち込まず、
力まず、気楽に、楽しく、
読者が、「気づけば随分と上達したなあ」と思えるにはどうしたらいいのかに集中しました。
どうぞ無理せずおれず、楽しくタスクを積み重ね、成功体験を積み上げて下さい。
このコラムで気づきがあって、もっと掘り下げたい時にこんな書籍はどうでしょうか?