・標準ズームではもの足りなく感じるときがある
・ズームレンズを使い続けて上達できるのか不安
・素人っぽさが気になってしまうズームレンズ

最初にキットで買った標準ズーム付きカメラ
だけど最近単焦点レンズを使いたい考えている。
そこでよく調べて
・買う/買わない
・何を買うか
を決めたい

そんな人に向けて単焦点レンズを深く吟味・検討できる記事になっています。
「本当に単焦点レンズは要るの?」と思案している人に、単焦点レンズとズームレンズの比較、単焦点レンズのメリットやデメリットを解説
チェック! 記事に進む前にズームレンズとの違いを確認…
説明 | |
---|---|
単焦点レンズ | 焦点距離が単一に固定されているレンズ |
ズームレンズ | ファインダーで被写体を見ながら焦点距離(=画角:写る範囲)を変えられるレンズ |
単焦点レンズの何が良いのか
画角を変えられないのになぜ良いのか?
良い構図やフレーミング、被写体のベストな見え方の確保のため撮影者自身が動く必要があります。動くほどに写真撮影の基礎が身に着くので、撮影スキルを上達させたい人や動くこと自体を楽しむ方には適しています。


撮影は全身を使ってこそ頭脳も働き、
撮影の実感や達成感を味わえるのかもしれません。
明るく設計できるから
レンズ内に可動機構が無い分ズームレンズより小さめに作れ、
F値も小さくできるのでぼけ味を生かした撮影が容易です。
また光が多く入るように設計できるので、特に一眼レフでは室内や暗い時間帯に被写体の様子を見定めやすく、
シャッタースピードを速くできるため手ブレを防げるなど動きの速い被写体にも向いています。
撮る時の行動の違い

被写体の見え方を左右するためフィルム一眼レフではレンズの明るさは特に重要です。
ズーム機構がないので撮影時にファインダーを見ながら画角を変えられません。
そのため気に入った構図にするためには撮影者自身が動く必要がありそうです。
写りのクオリティ
レンズを構成するレンズが全て固定されているので優れた解像度(分解能)やコントラスト、歪み、滲み
色の忠実度を確保するためのの設計で苦労が少なく、開発・製造コストも下げられます。
レンズ性能を決める要素
- 解像度
- コントラスト
- 歪み(ディストーション)
- 色再現性・滲み

ズームレンズは可動範囲全域で性能を追求する上、メカとの相反や相乗効果も念頭におくなど設計がより複雑です。
設計がシンプルなので、そこそこの性能のレンズになるのも短焦点レンズ
シンプルに設計でき、高い性能を追求できるため、良い性能のレンズを作りやすく、
非カメラメーカーの単焦点レンズも出回っており、カメラメーカーのレンズをしのぐ性能を持つレンズも少なくありません。またカメラメーカーの交換レンズより入手しやすい傾向にあります。
ズームレンズと比較
区分 | 画角(焦点距離) | 見え方 | 撮影者の行動 | 重量 | 筒長 |
---|---|---|---|---|---|
単焦点レンズ | 変えられない | 明るい | 前後に動く | 軽い | 短い |
ズームレンズ | 可変 | 暗い(単焦点に比べて) | 少ない動き | 重い | 長い |
区分 | 設計 | 像の歪み | 価格 |
---|---|---|---|
単焦点レンズ | シンプルで極限を追える | 少ない | 安い傾向 |
ズームレンズ | 複雑でメカとの兼ね合いも考慮 | 焦点距離によって生じ方が異なる | 高い傾向 |
ズームレンズのメリット/デメリット
ここで一旦ズームレンズについて再考しましょう。

ズームレンズのデメリット
- ズーム機構のため重くなる
- 画質で単焦点レンズに劣る
- ズーミングにより画角だけが変わるので被写体の見え方が犠牲になりがち
ズームレンズのメリット
- ファインダーを見ながら画角を変えられる
- 画角を変えられるため撮影者の動きが少なくて済むので制限のある場所での撮影に向いている
- 購入する単焦点レンズを決める手段になり得る(下記参照)
ズーミングにより画角が変えられるので構図の組み入れやフレーミングが容易
単焦点レンズのメリット
ここでは単焦点レンズを使うことで実際に実感できるメリットをお伝えします。
全体像を大まかにつかむのにも役立ててください。

高画質
単焦点レンズは、複雑な機構を持たないため、画質が高く、クリアな写真が撮れます。
大口径
単焦点レンズには、大口径のものが多く、明るい写真を撮ることができます。
ボケ表現
明るい写真を撮ることができるため、被写体を中心に集中したボケ表現ができます。
軽量・コンパクト
構造がシンプルであるため、軽量でコンパクトなものが多く、持ちやすく長時間の撮影で疲れにくい
記録性能
単焦点レンズは、複雑な機構がないため設計が容易で、明るく高解像度な結像性能が得られます。
低収差性能
収差が少なく、周辺部まで鮮明な写真を撮ることができます。
専門性能
特定の撮影分野に合わせた専門性能があり、ポートレートなどの人物撮影に適したレンズや風景撮影に適したレンズなど、また、スポーツ撮影やマクロ撮影に適したレンズなどがあり、それぞれの分野を得意とする個性あるレンズが存在します。
単焦点レンズ購入のヒント
EXIFデータを見てズームレンズでよく使う焦点距離を把握する
購入すべき単焦点レンズを決めるのに、ズームレンズでの撮影頻度が高い焦点距離を調べることが可能です。
撮影画像に必ず付随するEXIFデータには撮影時の焦点距離も記載されるので、
使用頻度が高い焦点距離を調べて単焦点レンズを買い求めるという方法があります。
単焦点レンズは要る?/要らない?
一概に「要る」とも、「不要」とも言えないのが単焦点レンズです。画質を追及したり、動きながらの撮影を楽しみたいなどの動機があるなら単焦点レンズをいくつか持っているのが得策かもしれません。またズームレンズを持たずに出かけ、故意に制約を課すのも楽しい気がしますし、個人的にはお勧めします。
ミラーレスカメラはEVF
一眼レフと異なりミラーレスカメラのファインダーはEVF*なので、
被写体の明るさを、さほど気にする必要はありません。
一方で一眼レフは光学ファインダーです。
レンズが一番明るい状態でミラーとプリズムを介して被写体が見える機構なので、
レンズの解放値(解放F値)は小さく明るい方が撮りやすいと言えます。
*EVF=Electronic View Finderの略で一眼レフのように実像を見るのではなく、
ビデオ信号がモニターに映る被写体を見るファインダーです
単焦点標準レンズは是非持っておきたい

単焦点標準レンズ=【単焦点 かつ 標準レンズ】
人間の視野に近い画角の標準レンズの強みは自然な写真になることです。
ズーミングできず画角を自分の脚で定める単焦点レンズ、かつ標準レンズ、つまり単焦点標準レンズは、
人が普段の生活で物事を見る見え方や感覚に最も近いと言えます。
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本ブログ『フォトノオト』では標準レンズや単焦点標準レンズについての詳しい記事もありますので。
チェックしてみて下さい。
まとめ
単焦点レンズの購入を検討している人、単焦点レンズのおさらいをしたい人、ズームレンズの良さも確認しておきたい人に向けて、両者の比較表も加えながら網羅的に解説しました。
勧められたとおりにレンズを購入できればいいのですが、自身で判断できて検討する一助にもなればと思い、書いた記事です。
なお写真を独習したい人に向けて記事を書きましたので参考まで、どうぞご覧ください。