・カメラを構えてすぐには構図が想いだ出せない
・ベストな構図をすぐに選べない
・そもそも構図って重要?
・構図を考えるのって煩わしい
このような撮影時の不安や不満、疑問が解消するといいですよね/
\三分割法のみ採用を提案します/
画面を均等に9つに分ける線と交点に主題を置くことで、
1)主題に目が行き
2)画面の隅々まで視線が行きわたる
そうすると…
伝えたいことが伝わり
画面全体を見てもらえる
…のです。
・基本かつ本当に役立つ構図【三分割法】を構図の大切さを添えて解説
【三分割法】主題から画面全体に意識が行きわたるパワフルな基本構図
三分割法(Rule of thirds)とは
画面を9等分する縦横それぞれ2本ずつの線を画面に引いた
「Rule Of Thirds」と英訳される構図
*グリッド線だけでなく4つの交点(青●)にも着目してください
ほとんどの写真撮影でこの構図法が適応しますし、見る側は画面が見やすく、撮影意図が伝わり易くなります。
あらゆるフォーマット(縦横比)の画面で通用します
縦長の場合 / 正方形の場合
画面に複数の着眼点を含めたい時、とりわけ三分割法の構図を意識しての配置は有効で、SNSの正方形フォーマットでも、より長く画面に目を留めてもらえます
写真撮影には三分割法だけ体得しておけば十分といえる根拠
数ある構図法を瞬時に思い出せないから
Q&A
イーゼルに架けたキャンバスや三脚での撮影であれば作画意図に沿った構図を選ぶのも可能ですが手持ちカメラを覗きながらでは難しいでしょう。
【三分割法】はシンプルで、かつ習慣にしやすいから
いつでもフレーミングして9分割する習慣がやがて強力な味方になる
人が安心して画面に視線を落とし、画面を回遊できる構図なので、しばらく何度も使って体得すれば三分割法がゆるぎない土台になり他の構図法を利用する余裕が生まれます。
肉眼で景色や情景を眺めるとき、テレビや映画などスクリーンを観る際も意識の中で三分割法のグリッドを置く習慣は撮影や撮影後の画づくりにも生きてきます。
撮影時に三分割法を適用する方法と実例
撮影時に三分割法グリッドを適用するには
カメラの設定によってファインダーに入るガイドグリッドを利用する
殆どのカメラやスマホには3分割法のグリッドがファインダーに入る設定があります。
(上級者向け)グリッド線を意識に描く
意識上のグリッドはレンズの先を凝視するときに邪魔にならないというメリットがあります。
被写体に三分割法のグリッドを当てがう
被写体を分割線上、または交点に置く
着目させたい対象を線、交点に置く
故意に被写体を分割線上や交点から外す
カモメは縦線上にあるものの、上の横線から外れています。 そのため却って高い上空を飛んでいる様子が伝わっています。また、このように故意にグリッドから外すことも対象の位置を強調して伝えたり(この場合「空高く」)、余白に意味を持たせるには有効です。
三分割法グリッドをあてる前に確認したい大切なこと
画面を整理して相手に伝わるようにするのが三分割法ですが、
以下のようなことも考慮するとグリッドをあてやすく三分割法の効果を一層高めることが可能です。
- 窮屈でないか
- 雑然としていないか
- 画像を見る人にとって心地よい配置になっているか
グリッドをあてる際に自分でこのように感じられるかも確認しましょう。
スマホ / デジカメでの活用方法
スマホ / デジカメのガイドグリッド
スマホでの3分割法の活用法
Andoroidの画面には「グリッドライン」が、下画面のiPhone(英語のまま使用中)のカメラの設定画面には「Grid」の項目(▶)が用意されています。 → ここをONにするとファインダー画面に分割グリッド乗るので活用してください。
Android
iPhone
デジカメのガイドグリッド
多くのデジカメでグリッドの設定があり、いずれも機種も9分割のラインがファインダーに入る設定が装備されていますので確認してください。
フィルムカメラのガイドグリッド
フィルムカメラでは「フォーカシング・スクリーン」と呼ばれる交換部品によって3分割法のグリッド線を選べるので活用しましょう。
トリミング作業で3分割法を適用する
撮影時ばかりでない3分割法の活用
Photoshop で縦長の画像にトリミングする
どんなに三分割法を習慣づけてもシャッターチャンスを逃すようでは本末転倒です。
撮影時には大まかに被写体を画面に収めておき、後でレタッチソフトで三分割法を生かしてトリミングする手法を紹介します。
フォトショップではあらかじめ三分割法のグリッドを見ながらトリミングが可能です。
Photoshop での作業を動画で確認
トリミング作業に追従する分割線を動画でもご覧ください。
(参考まで)この動画は、
フォトショップの作業(トリミング)を、
バンディカムで画面キャプチャーしました。
構図とはなに?|構図の効果|歴史
構図は作品の効果を出し、美的秩序に従って配慮される
構図(composition)とは、絵画、写真などで造形要素を様々に組み合わせて作品の効果を出す手段。また、それによって作り出された画面の仕組みです。
点,線,面の複合と,それらの全画面との関係から,リズム,プロポーション,バランス,
ハーモニー,統一と変化,強調などを生み出すことが出来る。美的秩序に従って配慮されます。
構図は画面に命を吹き込む強力なツールと言えまそうです。
見る人は構図によって画面に引き込まれ、画面の中にいるような気分になるのです。
構図の歴史
構図の時代背景も眺めてみましょう
作者の空間に対する感覚によって,(1) 画面を平面としてとらえ,その平面上に対象を配置しようとする平面的構図と,(2) 画面を奥行のある空間としてとらえ,立体的に対象を組合せようとする立体的構図とに大別しうる。 三角,円,楕円,台形,菱形,渦巻線などの図形が,遠近法によって表現される奥行と密接に結合されて構図を決定する立体的構図はルネサンスが一つの頂点で,いわゆる三角構図と呼ばれる安定した構図が好まれた。ルーベンスに代表されるバロック絵画は逆に,ときに中心をもたないで,流動的でダイナミックな構図を好み,こうした2つの流れは,それ以降のヨーロッパ絵画に継承され,19世紀末まで続いたが,20世紀の現代絵画は,再び平面的な構図を見出しているともいえる。東洋画,特に日本画は,平面的構図をとる場合が多い。
《狼と狐狩り》ピーデル・パウル・ルーベンス
良い構図の条件
すんなりと相手の視覚に入っていき、意図が伝わる役に立っているか
適切な構図が適用されて以下のような条件を満たせば、撮影者の気持ちや意図が相手に伝わりやすくなります。
- 大きな流れがある
- テーマに適している
- 主役に目が行く
- 四隅まで目が行く
補足:【黄金律】
参考として:摂理に即している黄金律
広く適応する点で三分割法(rule of thirds)に比肩する構図法があります。
理解のしやすさでやや劣るものの黄金律(golden ratio)も知っておく価値があります。この動画では2つ構図法についてい述べています(日本語字幕がありませんが、グラフィックの多用によって容易に理解できるコンテンツです)。
まとめ
写真は写す側と見る側のコミュニケーション であり対話です。見る人の視線は構図で整理された画面に導かれます。
最も使いやすく効果的な三分割法が適用された写真を見る人はすんなり主題に惹かれ、意味を感じ、視線を画面に留まらせるのです。記事を十分に理解して実践で三分割法の構図を適用すれば写真そのものが能弁に語るのも実感できるはずです。
【参考書籍】ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方 構図の法則/リチャード・ガーベイ=ウィリアムズ (著)