・レンズ選びでよく迷う
・交換レンズの購入を考えている
・レンズで写真力を向上させたい
・「標準レンズ」の定義を知りたい
・写真の上達につながるレンズは存在する?
・標準ズームがあれば事足りるのでは?
・標準レンズの真の定義
・上達が早まる【単焦点レンズ】と【単焦点標準レンズ】とそれぞれのメリット
この記事で標準レンズの定義がわかり、単焦点レンズと単焦点標準レンズがどう有意義なのかが分かります。
標準レンズとは|【標準】の定義
辞書や業界ではどのように定義・説明されているのでしょうか?
あいまいに表現されている定義の紹介
ウィキペディアなど
定義はない。定義すること自体が不可能であるともいえる。写真を撮る一般大衆等にとっての「標準」か、写真家など写真の専門家にとっての「標準」か、
ウィキペディア
―(中略)―
生理学的に(解剖学的に)それなりに確定的なことが言える眼球の特性についてならばともかく、脳の働きを含む「視覚」についてはそうはっきりとは言えたものではない。
焦点距離が画面の対角線の長さに近い写真レンズ。画角は 40°~60°程度である。35ミリ判では焦点距離 50mm前後,6センチ×6センチ判で 75~80mm前後。またデジタルの APS-Cサイズ(23.4mm×16.7mm)では 35mm前後,フォーサーズ,マイクロフォーサーズでは 25mmになる。
ブリタニカ国際大百科事典
各社メーカーサイトから抜粋
標準レンズとは画角が46度前後、焦点距離50mm前後のレンズのことで、いちばん人間の視角に近く、自然な遠近感の描写が特長です。
画角が47°前後のレンズを標準レンズと呼びます。焦点距離でいうと50mm前後(APS-Cサイズのボディに装着する場合は35mm前後)のレンズです。
人間の視野に近い自然な画角、遠近感で写るので、街角のスナップ、ポートレート、テーブルフォトなど、いろんなシーンで使いやすいレンズです。
明確な定義な提案
人の視野は左右に200度、上下に120度
正面の45度
この45度がフルサイズのイメージセンサー(36㎜横x24㎜縦)のカメラで使用したとき焦点距離が50㎜(下図参照してください)とほぼ合致することから50㎜付近のレンズは標準レンズと呼称されるのです。
焦点距離と画角
人は通常45度の範囲で物事をはっきりと認識できていることが
根拠の大元です。
焦点距離とは
焦点距離とは「直進して入った光が一点に集まる点とレンズの中心との距離です。
こちらの記事で明瞭に解説していますのでご覧になってみてください。
フルサイズ換算
単焦点レンズについて|特徴・メリット
単焦点レンズとは何か、特徴やメリットを解説します。
単焦点レンズとは
単焦点レンズとは単焦点標準レンズを含む、ズーム機構を備えていないレンズ
* 様々な焦点距離の単焦点レンズがあります。一覧してみてください。
なお購入の際はカメラとの接合に問題が無いか、異なるマウントならアダプターも入手可能かを確認してください。
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単焦点レンズの特徴 / メリット
明るく・軽く設計できる
- レンズの構成上ズームレンズよりレンズ枚数が少なく、光の透過ロスを少なく作れます。
- 開放値=F1のような、人の眼と同じ明るさで光学ファインダーから見えるレンズもあります。
- レンズの枚数がズームレンズより少なく作れるので軽量です。
解放絞りで撮るとフォーカスを合わせていない距離域がきれいにボケる
ボカシによる遠近感や奥行きを得ることも出来ます。
画面を切り取りたい場合、撮影者は被写体に近づく必要がある。
画面を広く写したい場合、撮影者は被写体から遠ざかる必要がある。
単焦点標準レンズ
単焦点標準レンズって?
楽しく上達するのが単焦点標準レンズです
歩きながらのスナップでは、好んで単焦点標準レンズを使っていました。
その理由は、楽しいから。
楽しさの根拠
- どんな被写体の何を撮るか、被写体も見え方まで考えて、自分の位置を考えるので、
まるで歩きながらパズルをしているようでした。 - ズームできないので被写体に近づく。そのためコミュニケーションが生まれやすい(全人性も求められる)。
- 撮影が楽なズームレンズに比べてカメラ全体がコンパクトで軽いので、撮影が苦にならない。
交換レンズの考え方
最適な交換レンズはどのように選択すべきでしょうか。
正しい交換レンズの選び方
正しいレンズの選び方 / 秘訣
- 被写体の見え方が最適となる被写体との距離を決める
- 画角に合ったレンズを決める
- 画角すなわち写す範囲を決める
イメージセンサー大に指を丸めてレンズを決める
このようにして被写体を見ると最適な焦点距離が分かります。
順序は次の通り…
- 指をイメージセンサー大に丸める(フルサイズなら24㎜x36㎜)
- 被写体が写る範囲を決める
- 指と自分の眼の距離をつかむ(反対側の手指をあてがうなど)
- (この距離がレンズの焦点距離)
- この焦点距離のレンズを選択
Q&A
写る範囲は焦点距離(つまり画角)によって変化しますが、被写体の見え方はレンズと被写体の距離によるのです。
見え方について
基準を持つ強み(=エキスパートへの近道)
後でトリミングを行えば画角の変更が可能。
となると撮影時は被写体の見え方を重視したいものです!
脚肥え(あしごえ)
取材で出会った伊予柑(いよかん)農家さんが足を使うことの大切さを語っています。
「山に入って歩けば脚肥え(あしごえ)を落とす。足跡が肥になる。それくらい山に行きなさい。これは本には書いてないですからね」
農家さんの音声
多角的な視点や気づきを得られるので脚を使うと五感全部を生かせて、多くの情報を得られることも伝わってきます。
ズームレンズのデメリット
便利で何かと重宝するズームレンズですがデメリットもあります。そのイージーさは写真上達の妨げにすらなります。
視点が固定されがち
ズームレンズは単焦点レンズに比べて画角の自由度が大きいことからカメラを移動させず指さえ動かせば撮影できる。そのため<被写体が一番よく見える場所で撮ったのか>が定かではないので良い撮影となったかの確信を持てません。
単焦点標準レンズのメリット
一方で単焦点標準レンズのメリットは?
機能が少なく、その分脳と体を使いワクワクする
近づいたり離れたりせずに画角を変えることが出来るズームレンズでは、動かすのは体のほんの一部、指先だけで済みます。
前述したように「被写体の見え方」は犠牲になってもやはり便利。便利になれると次第に体を動かすのが億劫になってきます。そうしてじっとしていることが増えると体温の変化も起きずワクワクすることも減るのです。
標準単焦点レンズで身に着けた習慣はズームレンズ撮影や素早いレンズ交換に生きる
ズームレンズで画面を切り取ったり広げたりする前に、被写体が一番よく写る視点にカメラを持っていく標準単焦点レンズでの習慣はズームレンズでも生きるはずです。
例えばやたらとズームリングを回さない(ズーミングをしない)ようになります。
撮影後のトリミングに慣れていれば単焦点広角レンズも面白い
撮影後にトリミングするの習慣があれば。広角気味のレンズは瞬間を逃さない撮影に向いています。
優先的に絞りを開放近くにするなどの工夫でボケも生かせます。
なおこの単焦点でやや広角寄りの固定レンズ仕様のRICOH GR IIIxなどは大変面白いと思います。
単焦点標準レンズ備考
マニュアルフォーカスも検討したい
オートフォーカスでない単焦点標準レンズのことですが、ピント合わせがオートではありません。
そのため、さらに考えること(↓)多く脳が心地よく疲労します。
- 被写界深度(合焦点距離の範囲)
- 被写体との距離
- 画角の変更ができないの中でのトリミング
しかしこれらの疲労のため達成感は一段と高まります。
またオールドレンズなどと呼称され、フィルムカメラからデジカメに変更したユーザーからの下取りによって中古市場には多くのマニュアル単焦点固定レンズがおおむね安価で出回っています。
またマウントアダプターも出そろっているので大体がネットでの入手が可能ですね。
おすすめ単焦点標準レンズ(オートフォーカス)
現在も筆者が頻繁に使用している単焦点標準レンズSIGMA 単焦点標準レンズと作例です。
超軽量ではないですがとても写りがよく、プロの仕事にも十分耐えるオートフォーカス対応レンズです。またSIGMAのレンズは国内生産なので品質も安心できます。
SIGMA 単焦点標準レンズ>
まとめ
あいまいになっている【標準レンズ】の定義についてついてわかりやすく説明しました。そして【単焦点レンズ】、上達につながる【単焦点標準】レンズについて解説しました。
もしズームレンズを常用していたり、「いまひとつ撮影が楽しくない」、楽しくなるような、そして上達につながるレンズの購入を検討しているようでしたら、ぜひ参考にしてください。
交換レンズについて理解を深めしょう>