さらに写真を好きになりたい人、写真の価値に疑問がある人
このように感じていませんか?
・写真に独特の特徴や魅力って何?
・写真を続けていくにはその特徴や魅力を知りたい
・写真は芸術なの?
・ふと気付いた写真の特徴や魅力を解説
・他の芸術やメディアと比べての優劣ではなく写真の良いところを納得できる
対象を一瞬で捉える写真にはどのような魅力があり、写真の独自性や価値をあらためて実感できるので「写真をやっていてよかった」と感じられる筈です。
一瞬のカメラ目線を永久保存できる写真の特徴
結論:モデルの視線について写真には独特の特徴があります。
モデル(この場合被写体となる人物をさします)の視線を瞬間保存できる。
絵画と動画はどうか
一瞬をとらえるのが困難な絵画、画面が動いてしまう動画
- 描かれた画面が動くことはないので動作は止まっているが、厳密には一瞬をとらえていない。
- 動画の原理は一コマの集成。一コマずつ見れば写真と同じく一瞬をとらえている。
美術館での再認識
側にいたご婦人の新鮮な驚き
写実的に描かれた作品(6人の女性)を見ていたご婦人が筆者の横でこうつぶやきました。
「この女の子たち、私がどこに立ってもこっちを見ているわ!!
私は「そんなの当たり前なんだけどなあ」と思いましたが、
ふと、これって写真ならではエピソード(出来事)では? と写真を見ながら描かれた作品を前に実感しました。
視線について他の芸術(絵画、彫刻、動画)と写真
視線についての特徴を掘り下げる
絵画
絵画ではモデルは画家を一定時間時間観察する必要がある。
彫刻
彫刻作品がこちらを見つめるのは、一つの位置から作品を鑑賞する時だけ。
動画
動画において視聴者が役者や演者と目が合うのは、カメラを見つめている間に限る。
写真
- 写真の画像はどこから見てもモデルと目が合う
- 写真でモデルは一瞬カメラを見れば済む
- 写真では一瞬の撮影
と、なります。
ヴィム・ヴェンダースの写真集『かつて(Once)』
写真集のプロローグにこのような記述があります。
ここには写真がもつ独特な能力や個性が現れているように感じませんか?
そして、カメラの前では何もかもが「一度だけ」。
ヴィム・ヴェンダース『かつて(Once)』
「一度だけ」が写真に撮られると、
「いつも/何度でも」に変貌してしまう。
写真に撮られて初めて、時間は目に映るようになる。
一枚目の写真と二枚目の写真の「間」の時間の中に、
もしもこの二枚の写真がなかったら、
すっかり忘れ去られてしまったまま「何度でも」に
呑み込まれてしまったであろう
「物語」がよみがえる。
私たちは、撮る瞬間、
この世界から消え去り
「もの」の中に入り込むために、
シャッターを押す。
Q&A
写真の特徴や強みについての疑問や活用についての質問を想定してみました。
「写真は絵画の静を、映画の動を兼ね備えたイメージだから」ルイジ・ギッリ『写真講義』
「写真には絵画が併せ持つ、移ろう時間を凝縮できるという特徴を有するし、動画のように動きを感じさせることも可能である」といった意味合いにちがいありません。
写真の魅力を伝える言葉、書籍の紹介
私が写真の魅力を感じた言葉をいくつか挙げてみます
(全て私が所有している書籍からの引用です)。
「写真は絵画の静を、映画の動を兼ね備えたイメージだから」
ルイジ・ギッリ『写真講義』
*
”You got eyes”
ジャック・ケルアック to ロバート・フランク『The Americans』
*
“Has Photography Been Able to Provoke Language?
中平卓馬『見続ける涯(はて)に火が』(英文はフランツ・リチャードによる
写真は言葉を挑発しえたか?
*
一具の写真機に千金を擲(なげう)って、これに嬉戯すること小児のごとく
尾崎紅葉 『金色夜叉』(明治30年代前半)
~近頃は写してもらふ人よりは写したがる者がおおいですからね。
*嬉戯(きぎ:遊びたわむれること。楽しみ遊ぶこと)
*
「一度だけ」が写真に撮られると、
ヴィム・ヴェンダース『かつて(Once)』
「いつも/何度でも」に変貌してしまう。
写真に撮られて初めて、時間は目に映るようになる。
一枚目の写真と二枚目の写真の「間」の時間の中に、
もしもこの二枚の写真がなかったら、
すっかり忘れ去られてしまったまま「何度でも」に
呑み込まれてしまったであろう
「物語」がよみがえる。
まとめ
視線の観点でそれぞれの芸術、メディアの性質を考察して、写真の特徴を考えてみました。
もちろん優劣ではなく、写真を始めたり続けていく上で、特徴を強みや価値として再確認することで上達の積み上げや進歩の追い風になると考えました。
写真ならではの特徴をご自身で確信したり他にもきっと気づきがあるので美術館に足を運ぶのも良いですね。
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