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【明暗で遠近感・奥ゆき・立体感を出す】画面が空間に、被写体が本物らしくなる

遠近を感じさせるライティングによる、葉の上のしずく

・奥行きや立体感を写真で伝えられない
・写真が薄っぺらになってしまう

明暗の組み合わせで写真の画面に引き込める効果が出せます

魅力ある写真、長く見て貰える写真にするために、
もっと具体的に教えて

写真で遠近感の表現方法をつかむと奥行きを出せたり主体をはっきりと伝えられます。
そうすると写真を見る人は被写体と同じ空間に居る気がしたり被写体に触れている気がします。

✓この記事の内容

・明暗差による遠近感や奥行き、立体感に影響する原理と活用方法の解説

明暗差による遠近感の表現方法を理解すると奥行きや立体感の表現にも即応用できます。

このページのまとめ

明暗差による画像への視覚効果【遠近感・奥行き・立体感】

明暗に対する視覚の法則や現象を見ていきましょう。

明暗差の視覚法則

人間の眼が明暗差から受ける感覚には一定のルールがあります。

明るい部分 → 手前・近い・迫る

周囲に比べて明るい部分は手前に迫って来るように見えます。

暗い部分 → 奥・遠い・遠のく

周囲に比べて暗い部分は奥に遠のいて見えます。

明暗差は原始から人が安全に生きるための視覚心理に根ざして遠近感や立体感を感じさせます。

光滲現象が起こす遠近感や奥行き

光滲は「こうしん」と読みます。英語では”irradiation” や “optical osmosis”(光学・浸透)。

相対的に明るい方が、より大きく、よりこちらに迫って見える現象です。
明度が高い領域の周辺が滲んで大きく・迫って来るように見えることによります。
膨張色と収縮色(進出色と後退色)もこの現象によって説明されているのを散見します。

Q&A

実際にどのように人の眼に影響するのですか?

下の3例(左右の2つの円は同じ直径の真円です)ではどちらの円が大きく、より手前にあると感じるでしょうか?

背景が同一のグレー、左右の円が白と黒

irradiation-comparison-gray

背景をそれぞれ反転

irradiation-comparison

左右同じグレーの円、背景が黒と白

irradiation-comparison-graycircle

自然界での遠近と明暗の関係

自然界では近いほど物体の多面が見え、遠ざかるほど、空の光を多く受ける明るい上面が見えなります

地上を真上から見た模型図

地上を真上から見たものの模型図


これを地上近くから眺めたのが下の模型図です。
白い部分が奥に行くほど小さくなることで次第に暗くなっています

地上近くから眺めた模型

実際の画像で確認

河畔の風景
遠くに行くほど物体の上面(天面)が見える割合が減っていくので遠くほど暗くなっています。

立体感

同様の視覚心理は立体感も感じるので人物や静物、商品の現実感を伝えるのにも役立ちます。

明暗の使い分けで立体感を出せる

Q&A

明暗のコントロールで立体感を出せる良い例はある?

あります。下にサンプルがあります。

球体の立体感

下の比較画像で左右のどちらが球体に見えるでしょうか?

compare-sphere

錯視から明暗差の効果を考察

これはどんな形状だと思いますか?

⇒ 正解は、模様がペイントされた円形の平板です。
光滲現象が利用されたトリックアートですね。

明暗差が立体感に影響することを感じ取れましたか?
ルールに則って近接する明暗を使い分けると立体感を表現できます。これを応用することで、屋外でも商品撮影でも表現力、伝える能力が格段に増すのです。

明暗差の活用事例

実際の活用事例を見てみましょう。

商品撮影

商品パッケージ用の製品写真

明暗差で立体感を感じさせる商品写真

被写体の手前が明るくなるような照明設計を基本に、さらに立体感に寄与する斜光と奥からの光を加えて、写真を見る人が実物を間近に、手に持ったり触れているように感じられることが可能になっています。

屋外(スナップや風景撮影)

街のスナップ

ロンドンの街角(リージェンツパーク付近)

空間に暗い部分があれば遠近感や広がりを感じやすいですね。

風景撮影

アイラ島の屋根のない修道院

手前の石塀の明るさが左右で異なります。奥行きや広がりを感じるのはどちらの画像でしょうか?感じ方を比較してしましょう。

建築や空間

建築、インテリアの照明計画でも活用できます

karuizawa-hall

コンサートホールです。ライティングと部材のトーンよる明暗差が空間の広がりを演出しています。

日本画の例

屏風に金色で描かれた日本画

日本画で明暗による奥行きや空間の広がり

明暗によって遠近感や奥行きを出せると、
画面全体として空間が生まれ、あたかも画面の世界にいると錯覚する好例です。
中央に圧倒され、左右の暗がりでは安らぎや深遠さが伝わってきます。

遠近感や奥行きに影響するのは明暗だけではなく、重なり、姿かたち、太陽光、大気や煙の影響、放射線、対象や背景のボケなどの要素がありますが、人の視覚心理に与える明暗の効果も、画像を見る人を画面の場所に立っている感覚にさせるのに大きく寄与することを覚えておいてください。

立体感・遠近感の確認手法と照明ライティングによる表現方法

画像をモノクロ化

カラーで写った画像をフォトショップで彩度(色合い)を落としました。

手前を明るく、奥を暗くの法則に基づいたパスタ皿

このようにフォトショップなどで彩度を落として色のない状態で確認すれば色彩による立体感の影響を受けないので、カラー画像では、なおさら立体感が表現できていると言えます

Q&A

立体感は斜め上からの光によって表現するのではないのですか?

斜光はオランダの画家、レンブラントが多用したので「レンブラント・ライト」と呼ぶ人もいます。きれいな影を作るのでコントラスト(明暗差の度合い)が生まれて立体感を強調します。しかし明暗の土台がしっかりしている上での効果と考えていいでしょう。

立体感についていろいろな説明やテクニックがありますが、【明るいと手前に迫り、暗いと遠くに見える】法則が基本です。

片目だけで見る立体感、遠近感や奥行き確認

肉眼で対象を見るときに片目をつぶったり覆(おお)って、視差を利用しての両眼視による空間認識をわざと不可能にします。

single-eye-watching

こうするとカメラと同じように単眼で見ることになるので、明暗による立体感、奥行き、遠近感が確保されているかを確認することが可能になります。

遠近感の表現は既存の光以外に人工照明(ライティング)でも

遠近感はライティングによっても強調が可能です。

奥に光を与えない

奥の部分を暗くするのに、
・光を切る⇒光が奥には行かないように板などで遮断
・奥にあたる光を弱くする⇒調整できる光源の光量を弱くする

手前を明るくする

・手前を明るくする⇒手前に当たる光量を弱くしたり、レフ(反射)板で周辺の光を拾い当てる

手前を明るくライティングしたポートレイト画像

光の減衰の法則を理解する

光源の位置で被写体の明るさをコントロール可能です。
距離と明るさの関係には一定の法則があるので理解/体得することをお勧めします。
関連記事で解説しているので確認してください。

まとめ

明暗差が立体感や遠近感を生む仕組みを視覚で起きる現象に着眼して解説しました。
単純ともいえる明暗差のルールを利用して被写体に立体感を与えたり、空間に奥行きや遠近感を与えることが可能であることも解りました。

立体感は被写体を手に取っているように感じさる効果、遠近感や奥行きは画面の中にいるような体験を味あわってもらう効果があるので、商品や景色の魅力を気持ちに届かせて次の行動に向かわせることが可能に出来るはずです。

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明暗と視覚の深堀にお勧め

遠近を感じさせるライティングによる、葉の上のしずく

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